南方研究室 大阪大学大学院工学研究科 応用化学専攻物質機能化学講座 精密合成化学領域

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論文 Publication List at MINAKATA Lab.

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“Asymmetric Synthesis of β2-Aryl Amino Acids through Pd-Catalyzed Enantiospecific and Regioselective Ring-Opening Suzuki-Miyaura Arylation of Aziridine-2-carboxylates"
Youhei Takeda*, Tetsuya Matsuno, Akhilesh K. Sharma, W. M. C. Sameera*, and Satoshi Minakata*
Chem. Eur. J. 2019, Early View. DOI:10.1002/chem.20192009

論文概要: Pd触媒によるアジリジン-2-カルボン酸エステルのエナンチオ特異的かつ位置選択的な開環を伴う鈴木ー宮浦アリール化の開発に成功した。本クロスカップリングにより、市販されているD-またはL-セリンエステルから光学純度の高いβ2-アリールアミノ酸を合成できる。理論計算により立体・位置選択性を合理的に説明できる反応機構を明らかにした。

“Synthesis of Hypervalent Iodine(III) Reagents Containing a Transferable (Diarylmethylene)amino Group and Their Use in the Oxidative Amination of Silyl Ketene Acetals"
Kensuke Kiyokawa*, Daichi Okumatsu, and Satoshi Minakata*
Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 8907–8911. DOI:10.1002/anie.201904971

論文概要: ヨウ素−窒素結合を有する超原子価ヨウ素試剤は酸化的な窒素官能基導入反応に利用可能な有用な反応剤である。本研究では、ベンゾフェノンイミン由来の窒素官能基を有する超原子価ヨウ素試剤の合成に成功した。本反応剤は容易に調製可能であり、安定な固体として単離、保存できる。また、シリルケテンアセタールに作用させることで酸化的アミノ化反応が進行し、α-アミノエステルが得られることを見出した。この反応は遷移金属を用いることなく効率よく進行する。また生成物のベンゾフェノンイミン部位は容易に加水分解でき、第一級アミンへと変換可能である。

“Thermally Activated Delayed Fluorescence vs Room Temperature Phosphorescence by Conformation Control of Organic Single Molecules"
Przemyslaw Data*, Masato Okazaki, Satoshi Minakata, and Youhei Takeda*
J. Mater. Chem. C 2019, 7, 6616–6621. DOI:10.1039/C9TC00909D

*Invited Article as a part of the themed collection "Functional Organic Materials for Optoelectronic Applications"!

論文概要: 多色発光性メカノクロミズム分子の固体状態における時間分解時分光測定を行なったところ、異なる発光色を示す固体は、分子のコンフォメーションに依存して熱活性化遅延蛍光(TADF)および室温リン光(RTP)が促進させることが明らかとなった。こうして得られた知見を活用することで、溶液プロセスの違いにより発光層におけるコンフォーマー比率を制御し、発光色を変調させることにも成功した。この技術を用いて、有機ELデバイスの発光色の溶液プロセスによる変調も達成した。

“A Computational Study on the Mechanism and Origin of the Reigioselectivity and Stereospecificity in Pd/SIPr-Catalyzed Ring-Opening Cross-Coupling of 2-Arylaziridines with Arylboronic Acids"
Akhilesh K. Sharma, W. M. Chamil Sameera*, Youhei Takeda, and Satoshi Minakata
ACS Catal. 2019, 9, 4582–4592. DOI:10.1021/acscatal.9b01191

論文概要: Pd/NHC触媒による2-アリールアジリジンとアリールボロン酸とのクロスカップリング反応(JACS 2014)における詳細な反応機構、および位置選択性・立体特異性が発現する原理を密度汎関数理論を用いて明らかにした。活性種であるPd(0)SIPr錯体は(η3-cinnamyl)(Cl)Pd(II)SIPr錯体のアリールボロン酸による還元により生成することがわかった。生じたPd(0)SIPr錯体への位置選択的および立体特異的なアジリジンの酸化的付加、プロトン移動、律速段階であるトランスメタル化、続く還元的脱離から触媒サイクルが構成されていることが明らかとなった。酸化的付加の遷移状態を多成分人工力誘起反応(MC-AFIR)法により系統的に探索した結果、酸化的付加の位置選択性および立体特異性が合理的に説明できることがわかった。さらに、酸化的付加における遷移状態をエネルギー分割法(EDA)で解析したところ、Pd(0)SIPrとアリールアジリジンとの相互作用の存在が選択性を発現させる上で重要であることが明らかとなった。こうして理論計算から得られた触媒サイクルは、実験データとよい一致を示し、2-アリールアジリジンの位置選択的かつ立体特異的な開環を伴うクロスカップリング反応の反応機構を考察する上で重要な知見になる。

“Ni(II) 10-Phosphacorrole: A Porphyrin Analogue Containing Phosphorus at the Meso Position"
Hiroto Omori, Satoru Hiroto, Youhei Takeda, Heike Fliegl, Satoshi Minakata, and Hiroshi Shinokubo*
J. Am. Chem. Soc. 2019, 141, 4800–4805. DOI:10.1021/jacs.8b13169

論文概要: リン元素をメソ位に有するポルフィリノイド(Ni(II) 10-ホスファコロール)を、Pd触媒触媒存在下ビス(α,α'-ジブロモジピリン)Ni(II)錯体とホスフィアニオンをC–C, C–Pカップリングさせることで合成した。Ni(II) 10-ホスファコロールの光および電子物性はリン中心を酸化させる、または金属へ配位させることで変調できることがわかった。Ni(II) 10-ホスファコロールは18π電子が環に沿って非局在化していることに起因して芳香属性を示す一方で、リンオキシド体は反芳香属性を示すことが実験・理論両面から明らかとなった。

“Electrophilic Cyanation of Allylic Boranes: Synthesis of β,γ-Unsaturated Nitriles Containing Allylic Quaternary Carbon Center"
Kensuke Kiyokawa*, Shotaro Hata, Shumpei Kainuma, and Satoshi Minakata*
Chem. Commun. 2019, 55, 458–461. DOI:10.1039/C8CC09229J

論文概要: アリルボランに対して、シアノ化剤としてTsCNまたはNCTSを作用させることで求電子的シアノ化が進行し、β,γ-不飽和ニトリルが効率良く得られることを見出した。本シアノ化は高い官能基許容性と基質一般性を有しており、従来法では合成困難なアリル位に第四級炭素を有するβ,γ-不飽和ニトリルを選択的かつ高収率で合成することが可能である。また、生成物のニトリルは種々の官能性化合物へと容易に変換可能である。

“The Impact of Replacement of Nitrogen with Phosphorus Atom in the Pyromellitic Diimides on Their Photophysical and Electrochemical Properties"
Sandra Pluczyk*, Heather Higginbotham*, Przemyslaw Data, Youhei Takeda*, and Satoshi Minakata
Electrochim. Acta 2019, 295, 801–809. DOI:10.1016/j.electacta.2018.10.156

論文概要: 新奇なリン含有π共役化合物の光・電子物性調査は、新規な電気活性材料を創出する上での指導原理を与えてくれる。本論文では、ベンゼンをπ電子コアとするジケトホスファニル化合物群の光物性および電気化学的性質を、定常・時間分解分光測定および分光電気化学測定により解明した。系統的物性調査から、リンおよび窒素原子の存在が、励起三重項状態およびラジカル種生成における電気化学過程に対して及ぼす影響を明らかにした。

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