南方研究室 大阪大学大学院工学研究科 応用化学専攻物質機能化学講座 精密合成化学領域

ホーム > 論文
English

論文 Publication List at MINAKATA Lab.

2023  2022  2021  2020  2019  2018  2017  2016 
2015  2014  2013  2012  2011  2010  2009  2008 
1998–2007 


“Tris(pentafluorophenyl)borane-Catalyzed Stereospecific Bromocyanation of Styrene Derivatives with Cyanogen Bromid"
Kensuke Kiyokawa*, Ikumi Noguchi, Takaya Nagata, and Satoshi Minakata*
Org. Lett. ASAP. DOI:10.1021/acs.orglett.3c00727


論文概要: トリスペンタフルオロフェニルボラン (B(C6F5)3) をルイス酸触媒として用い、アルケンに対して臭化シアン (BrCN) を作用させることで、立体特異的なsynブロモシアノ化が進行し、β-ブロモニトリルが得られることを見出した。量子化学計算を含む反応機構調査により、臭化シアンのシアノ基がB(C6F5)3に配位することで活性化され、アルケンに対する求電子的シアノ化を経る機構で進行することを明らかにした。

“Stereospecific Oxycyanation of Alkenes with Sulfonyl Cyanide"
Kensuke Kiyokawa*, Miu Ishizuka, and Satoshi Minakata*
Angew. Chem. Int. Ed., 2023, 62, e202218743/1–7. DOI:10.1002/anie.202218743


論文概要: トリスペンタフルオロフェニルボラン (B(C6F5)3) をルイス酸として用い、アルケンに対してp-トルエンスルホニルシアニド (TsCN) を作用させることで、立体特異的なsynオキシシアノ化が進行し、スルフィニルオキシ基とシアノ基が一挙に導入された生成物が得られることを見出した。本手法により、有用なβ-ヒドロキシニトリルを入手容易なアルケンから一段階で効率的に合成可能である。

“α-Amination of Carbonyl Compounds by Using Hypervalent Iodine-Based Aminating Reagents Containing a Transferable (Diarylmethylene)amino Group"
Daichi Okumatsu, Kazuki Kawanaka, Shunpei Kainuma, Kensuke Kiyokawa*, and Satoshi Minakata*
Chem. Eur. J., 2023 29, e202203722/1–7. DOI:10.1002/chem.202203722


*Selected as the "Cover Feature" of the issue!



論文概要: α-アミノカルボニル化合物は、天然物および生物活性物質に多く見られ、また、有機合成における合成中間体としても広く用いられる重要な化合物群である。本研究では、我々が独自に開発したジアリールメチレンアミノ基を有する超原子価ヨウ素反応剤を活用することで、エステル、アミド、ケトンなどのシンプルなカルボニル化合物のα位アミノ化を達成し、幅広いα-アミノカルボニル化合物を効率的に合成可能な手法を開発した。導入したジアリールメチレンアミノ基は加水分解によりフリーのアミノ基(−NH2)へと容易に変換できるだけでなく、ヒドリド還元により医薬品の部分構造に多く見られる有用な骨格にも誘導可能であった。開発した手法は、エノラート中間体の単離を必要とせず簡便な操作(ワンポット)で実施可能である。

“3,11-Diaminodibenzo[a,j]phenazine: Synthesis, Properties, and Applications to Tröger's Base-Forming Ladder Polymerization"
Saika Izumi, Keiki Inoue, Yuya Nitta, Tomoya Enjou, Takahiro Ami, Kouki Oka, Norimitsu Tohnai*, Satoshi Minakata, Takanori Fukushima, Fumitaka Ishiwari*, and Youhei Takeda*
Chem. Eur. J., 2023 29, e202202702. DOI:10.1002/chem.202202702/1–6.

*Invited as a part of a Special Collection on "Novel Aromatics (ISNA 19)"!


論文概要: ジアミノ基を有する新奇なπ拡張フェナジン化合物を合成し,その光物性を調査した。U字型ジアミノジベンゾフェナジンは、溶液中で中程度の量子収率でフォトルミネッセンスを示した。また、このジアミノ芳香族化合物は、ホルムアルデヒドとの位置選択的な重縮合により、Tröger塩基骨格を持つ梯子状ポリマー(ラダーポリマー)を生成することがわかった。得られた多孔性ラダーポリマーは、フェナジン環に存在する塩基性の窒素原子を多数有するため、高いCO2ガス吸着選択性を示した。

page top