南方研究室 大阪大学大学院工学研究科 応用化学専攻物質機能化学講座 精密合成化学領域

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論文 Publication List at MINAKATA Lab.

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Transition-metal-free Benzylic C–H Bond Intermolecular Amination Utilizing Chloramine-T and I2
Youhei Takeda, Junpei Hayakawa, Kazuki Yano, and Satoshi Minakata*
Chem. Lett. 2012, 41, 1672–1674. DOI: 10.12461/cl.2012.1672


論文概要: クロラミン-Tとヨウ素を恊働的に用いることで,遷移金属触媒を用いることなくベンジル位のC–Hアミノ化反応が効率よく進行することを見出した.本反応は様々なアルキル置換ベンゼンに適用可能であり,対応するN-ベンジル p-トシルアミドを良好な収率で与える.また,アダマンタン誘導体を本反応条件に用いると,第三級炭素上のC–H結合が選択的にアミノ化され,アルツハイマー病治療薬であるメマンチン誘導体を炭化水素基質から一段階で合成することにも成功した.

Nucleophilic Ring-Opening of N-o-Nosylaziridines with N-Chloro-N-Sodiocarbamate: Facile Preparation of Differentially Protected Vicinal Diamines
Youhei Takeda, Yuta Murakami, Yuki Ikeda, and Satoshi Minakata*
Asian J. Org. Chem. 2012, 1, 226–230. DOI: 10.1021/ajoc.201200070


論文概要: N-Bocクロラミン塩を求核剤として用いるN-o-ノシルアジリジンの開環反応の開発に成功した.本反応は温和な条件下,効率良く進行し,二つの窒素原子上にそれぞれ異なる保護基(o-Ns,Boc基)を有するジアミン誘導体を収率よく与える.また,生成物の窒素保護基は官能基選択的に除去することが可能であり,この特徴を活かして本開環反応を鍵段階とするエメリアミン(長鎖脂肪酸代謝阻害剤)の不斉合成を達成した.

Cyclizative Atmospheric CO2 Fixation by Unsaturated Amines with t-BuOI Leading to Cyclic Carbamates
Youhei Takeda, Sota Okumura, Saori Tone, Itsuro Sasaki, and Satoshi Minakata*
Org. Lett. 2012, 14, 4874–4877. DOI: 10.1021/ol302201q

* Highlighted in "Noteworthy Chemistry" (ACS, October 1, 2012)! see the detail


論文概要: 特徴あるヨウ素反応剤である次亜ヨウ素酸tert-ブチル(t-BuOI)を活用することで,不飽和結合を分子内に有するアリルアミンおよびプロパルギルアミンへの二酸化炭素常圧固定化反応が進行し,立体選選択的にヨウ素置換環状カルバマートを収率よく与えることを見出した.本反応において特筆すべきは,金属触媒や強塩基を用いることなく,常温常圧での二酸化固定化が可能な点である.本反応を活用すると,シンプルな化合物であるアリルアミンからAMZOZ(抗寄生虫薬や抗菌剤の合成中間体)をわずか三段階で合成できる.

Selective Functionalization of Fullerenes with N,N-Dihalosulfonamides as an N1 Unit: Versatile Syntheses of Aza[60]fulleroids and Aziridino[60]fullerenes and their Application to Photovoltaic Cells
Toshiki Nagamachi, Youhei Takeda, Kazuhisa Nakayama, and Satoshi Minakata*
Chem. Eur. J. 2012, 18, 12035-12045. DOI: 10.1002/chem.201201680


論文概要: N,N-ジハロスルホンアミドをN1源とするイミノフラーレンの構造異性体の直截的かつ高選択的合成法の開発に成功した.アミド窒素上のハロゲン種がヨウ素の場合,アザフレロイドが高選択的に生成し,ハロゲン種が臭素の場合,アジリジノフラーレンのみを与えることを明らかにした.従来のイミノフラーレン合成では,毒性・爆発性の高い有機アジドを用いる必要があったが,本手法では比較的取り扱いやすいハロゲン化剤およびアミド化合物のみを使用している点で,安全・操作面で優れている.また,合成した種々のイミノフラーレンの基礎物性(光物性,電気化学特性,熱特性,溶解性)を明らかにした.基礎物性に基づき選定したフラーレン誘導体を有機薄膜太陽電池の電子輸送材料として用いたところ,最大エネルギー変換効率(PCE)が中程度(2.35%)の値を示すことがわかった.本結果は,ベンチマーク材料であるPCBMを同条件下用いて作製したデバイスのPCE(2.05%)よりも高い点は注目すべき点である.

Oxidative Dimerization of Aromatic Amines Using tBuOI under Mild Conditions: Entry to Unsymmetric Aromatic Azo Compounds
Youhei Takeda, Sota Okumura, and Satoshi Minakata*
Angew. Chem., Int. Ed. 2012, 51, 7804-7808. DOI: 10.1002/anie.201202786

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論文概要: 特徴あるヨウ素反応剤である次亜ヨウ素酸tert-ブチル(t-BuOI)を活用した芳香族アミンの酸化的二量化反応の開発に成功した.本反応は非常に温和な条件下(中性条件,反応温度は室温またはそれ以下)で効率良く進行し,アゾベンゼン類を収率よく与える.特筆すべきは,異なる二種類の芳香族アミンを基質とする交差二量化反応が高選択的に進行し,非対称アゾ化合物が収率よく得られる点である.本手法では,従来法では合成困難である両方の芳香環に電子求引基を有するアゾ化合物の合成も可能である.従来の非対称アゾベンゼン合成では,毒性・爆発性の高い反応剤をわざわざ調製する必要があった(ジアゾカップリング,Mills反応)が,本手法では入手容易かつ取り扱い容易な芳香族アミン類から直截的にアゾ化合物を得られる点で安全性・操作性にも優れている.

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