南方研究室 大阪大学大学院工学研究科 応用化学専攻物質機能化学講座 精密合成化学領域

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論文 Publication List at MINAKATA Lab.

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“Revealing Topological Influence of Phenylenediamine Unit on Physicochemical Properties of Donor‐Acceptor‐Donor‐Acceptor Thermally Activated Delayed Fluorescent Macrocycles"
Saika Izumi, Aleksandra Nyga, Piotr de Silva*, Norimitsu Tohnai, Satoshi Minakata*, Przemyslaw Data*, and Youhei Takeda*
Chem. Asian J. 2020, 15, 4098–4103. DOI:10.1002/asia.202001173

*Selected as Very Important Paper (VIP)!


論文概要: 2つの電子供与体(N,N'-ジフェニル-m-フェニレンジアミン)と2つの電子受容体(ジベンゾ[a,j]フェナジン)からなる新規な熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す環状π共役化合物m-1を創製した。本環状化合物は、過去に我々が報告したTAD大環状化合物p-1の位置異性体である。フェニレンジアミンドナーの置換様式がTADF環状化合物の物理化学的特性に及ぼす影響を明らかにするため,m-1の単結晶中における立体配座,光物性,電気化学的挙動,TADF特性を調査し、p-1と比較した。p-フェニレンジアミンをm-フェニレンジアミンで置換すると,顕著な正の発光性ソルバトクロミズムを示した。また、ユニークな酸化的電解重合を示すとともに,励起状態のCT特性が低いためにTADFの寄与は小さいことが明らかとなった。

“Electrochemical and Spectroelectrochemical Comparative Study of Macrocyclic Thermally Activated Delayed Fluorescent Compounds: Molecular Charge Stability vs OLED EQE Roll‐Off"
Aleksandra Nyga, Saika Izumi, Heather F. Higginbotham, Patrycja Stachelek, Sandra Pluczyk, Piotr de Silva*, Satoshi Minakata*, Youhei Takeda*, and Przemyslaw Data*
Asian J. Org. Chem. 2020, 9, 2153–2161. (Published as part of the Special Collection dedicated to early career researchers.) DOI:10.1002/ajoc.202000475


論文概要: 本研究では,環状TADF分子の構造のわずかな改変がその電気化学的安定性にどのように影響するかを明らかにした。ジベンゾフェナジンを電子アクセプター(A),N,N'-ビス(t-ブチルフェニル)-p-フェニレンジアミンを電子ドナー(D)とする,D-A-D-A型の環状π共役化合物(tBuMCM)を合成した。その結果、tBuMCは熱活性化遅延蛍光を示し、tBuMCを発光材料として用いて作製した有機EL素子は約10%と、高い外部量子効率を達成した。しかし、tBuMCを用いた有機EL素子は、MCを用いた場合よりも外部量子効率がわずかに低く(11.6%)、ロールオフが大きいことがわかった。tBuMCMC、およびリニアアナログ(Linear)の電気化学的特性を比較した結果、D-A-D-A環状骨格にt-Bu基を導入すると、酸化還元挙動が大きく変化することが明らかになった。また、電気化学的および分光電気化学的測定により、立体障害を持つ置換基が分子の電荷分布にどのように影響しているかを理解する手がかりが得られ、その結果、OLEDのロールオフに大きな違いが生じることがわかった。UV-Vis-NIRおよびEPR分析、および電気化学的測定結果は、量子化学理論計算からも支持され、D-A-D-A骨格における構造改変が酸化還元特性に及ぼす影響について明らかにした。

“Transition-Metal-Free Aziridination of Alkenes with Sulfamate Esters Using tert-Butyl Hypoiodite"
Kensuke Kiyokawa*, Shogo Nakamura, and Satoshi Minakata*
Heterocycles 2021, 103, 190–197. (Published as part of the Special Issue in honor of Professor Yasuyuki Kita on his 77th birthday.) DOI:10.3987/COM-20-S(K)20


論文概要: アルケニル部位を有するスルファマートエステルの分子内アジリジン化は合成化学的に有用な二環式のアジリジンを与える。本研究では、一価のヨウ素反応剤である次亜ヨウ素酸tert-ブチル(t-BuOI)を活用することで、遷移金属を用いることなくヨウ素反応剤のみによるアジリジン化を達成した。また、t-BuOIを利用する反応系はスルファマートエステルを窒素源とするアルケンの分子間アジリジン化にも適用できることを明らかにした。本アジリジン化は温和な反応条件下で立体特異的に進行するため、実用的なアジリジン合成法である。

“Sigmoidally Hydrochromic Molecular Porous Crystal with Rotatable Dendrons"
Hiroshi Yamagishi, Sae Nakajima, Jooyoung Yoo, Masato Okazaki, Youhei Takeda*, Satoshi Minakata, Ken Albrecht*, Kimihisa Yamamoto, Irene Badía-Domínguez, Maria Moreno Oliva, M. Carmen Ruiz Delgado, Yuka Ikemoto, Hiroyasu Sato, Kenta Imoto, Kosuke Nakagawa, Hiroko Tokoro, Shin-ichi Ohkoshi, and Yohei Yamamoto*
Commun. Chem. 2020, 3, 118/1–8. DOI:10.1038/s42004-020-00364-3

*Open-access Article!
*プレスリリース (see the detail)
*Highlighted in Resou, Optronics, EurekAlert!, ScienceDaily, PhysOrg!


論文概要: 多孔質結晶のベイポクロミズム現象は、電気を使わずに気体分子の簡便かつ迅速な検出に有効である。これまでに、気体検出のための多孔質結晶として、金属ー有機構造体、または共有結合、水素結合を介する構造体を与える分子設計が研究されてきた。今回、我々は多孔質なファン・デル・ワールス(VDW)結晶のハイドロクロミック現象を見出した。多孔質VDW結晶VPC-1は、新規な芳香族デンドリマーであり、中心骨格であるジベンゾフェナジンとカルバゾールデンドロンから構成されている。結晶は、弱い相互作用であるVDW力で分子同士が結びついているにもかかわらず、水の脱着後も結晶構造を維持していることが明らかとなった。VPC-1は、デンドリマー分子の電荷移動性に起因して、水分子の取り込み/放出に応じて可逆的な色変化を示す。詳細な構造解析から、一番外側に位置するカルバゾール部位だけが結晶中で可動し、水蒸気に応答して同時にねじれることを見出した。また、熱力学的解析から、細孔表面が疎水性から親水性へと可逆的に入れ替わることにより、水吸脱着等温線がシグモイド型となることが示唆された。

“Palladium-Catalyzed Regioselective and Stereospecific Ring-Opening Cross-Coupling of Aziridines: Experimental and Computational Studies"
Youhei Takeda*, W. M. C. Sameera*, and Satoshi Minakata*
Acc. Chem. Res. 2020, 53, 1686–1702. DOI:10.1021/acs.accounts.0c00395

*Open-access Article!
*Account Article!


論文概要: アジリジンは、最小の飽和アザヘテロサイクルであり、有機合成化学において有用なビルディングブロックである。アジリジンは大きな環歪みエネルギーを有していることから、その歪みエネルギーの解消を駆動力として、様々な求核剤により開環を伴った置換反応し、β官能基化されたアルキルアミン誘導体を与える。しかし、従来のアジリジンの開環を伴った求核置換反応における位置選択性は、基質の組み合わせに大きく依存し、立体化学の制御が困難な場合もしばしばある。そのため、位置選択性や立体化学を精密に制御できるロバストな触媒的アジリジン開環官能基化法の開発が望まれている。我々は、2位に置換基を有するアジリジンのPd(0)錯体への化学量論的な酸化的付加反応が高位置選択的かつ立体特異的に進行することに着目した。本Accountでは、我々が開発したパラジウム触媒によるアジリジンの位置選択的かつ立体特異的な開環を伴う、有機ホウ素反応剤とのクロスカップリング反応を紹介する。開発したカップリング反応を活用することで、光学活性なβ-フェネチルアミン、β-アミノ酸、およびそれらのホウ素・シリル誘導体など、メディシナルケミストリーにおいて重要なアミン誘導体を容易に合成することが可能となった。さらに、触媒を適切に選択することで、開環の位置選択性を逆転できることも明らかにした。また、理論計算科学的手法との協働により、カップリング反応の触媒サイクルを解明し、反応の位置選択性および立体特異性の起源を明らかにした。そして、理論計算から、トランスメタル化において活性なPd-ヒドロキシ中間体形成における水分子の重要な役割が明らかとなった。以上の成果は、遷移金属触媒による新規クロスカップリング反応開発における、実験と理論計算アプローチの相乗的有効性を実証している。

“Alchemy of Donor–Acceptor–Donor Multi-Photofunctional Organic Materials: From Construction of Electron-Deficient Azaaromatics to Exploration of Functions"
Youhei Takeda*, Przemyslaw Data*, and Satoshi Minakata
Chem. Commun. 2020, 56, 8884–8894. DOI:10.1039/D0CC03322G

*Open-access Article!
*Feature Article!


*Selected as the "Outside Front Cover" of the issue!

Artwork designed by Hayanon Science Manga Studio (2020)


論文概要: 電子欠損性の含窒素芳香族化合物は有機材料分野において重要な役割を果たしている。したがって、電子欠損性の含窒素芳香族化合物の合成法を開発し、それら手法で得られる芳香族分子の物性・機能を探ることは材料科学および関連分野の発展に資する重要な研究である。本Feature Articleでは、エキゾチックな分子構造を有する電子欠損性の含窒素芳香族化合物の新規合成法、およびそれらを活用した多機能性発光有機材料の創製に関して紹介する。開発した合成反応のうち、多機能性発光分子を創製する上で鍵となる反応は、ビナフタレンジアミン類の酸化的骨格転位である。本反応の開発により、U字型の含窒素芳香族化合物、すなわちジベンゾ[a,j]フェナジン類の合成が可能になった。ジベンゾフェナジン類の特異な物理化学的性質を活用することで、多彩な光機能を特徴とするU字型のねじれたドナー・アクセプター・ドナー分子の構築に成功した。また、これらが、熱活性化遅延蛍光、発光性メカノクロミズム、室温リン光などの多様な光機能を兼ね揃えているだけでなく、高効率有機EL素子の発光材料としても機能することを明らかにした。

“Iodine-Based Reagents in Oxidative Amination and Oxygenation"
Kensuke Kiyokawa* and Satoshi Minakata*
Synlett 2020, 31, 845–855. DOI:10.1055/s-0039-1690827

*Account Article!

論文概要: 本総説では、超原子価特性、ルイス酸性、ラジカル反応性などの特徴的な反応性を示すヨウ素反応剤を活用した有機分子への窒素および酸素官能基導入反応に関する我々の研究成果について概説する。

“Thermally Activated Delayed Fluorescent Donor–Acceptor–Donor–Acceptor π-Conjugated Macrocycle for Organic Light-Emitting Diodes"
Saika Izumi, Heather F. Higginbotham, Aleksandra Nyga, Patrycja Stachelek, Norimitsu Tohnai, Piotr de Silva, Przemyslaw Data*, Youhei Takeda*, and Satoshi Minakata*
J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 1482–1491. DOI:10.1021/jacs.9b11578

*Open-access Article!
*プレスリリース (see the detail)
*Highlighted in ResOU, Optronics, fabcross for エンジニア, EurekAlert!, AlphaGalileo, Phys.Org., Nanowerk, EE Times Japan, SienceDaily, Bioengineer.org, BITS&CHIPS, BrightSurt.com, BrightSurt.com, SciFi Insight!

論文概要: 二つのU字型電子アクセプター(ジベンゾ[a,j]フェナジン)と二つの電子ドナー(N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン)から成る熱活性化遅延蛍光性のドナー・アクセプター・ドナー・アクセプター(D–A–D–A)π共役マクロサイクルを創製に成功した。当該マクロサイクルは2種類の結晶多形を示し、これらでは分子のコンフォメーションおよび発光特性が異なることを見出した。マクロサイクルを展開した直線状の対照化合物を別途合成し諸物性を比較することで、D-A繰り返し構造の環化が物性に与える影響を明らかにした。マクロサイクル分子の方が直線状分子よりも効率的なTADF特性を示したことは注目に値する。さらに、当該マクロサイクルを発光材料として活用して作製した有機EL素子の最高外部量子収率(EQE)は11.6%を達成し、従来蛍光材料を用いた場合(5%)や直線状の参照分子を用いた場合(6.9%)よりも遥かに効率的な値であることを明らかにした。

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