大阪大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 正岡研究室では、錯体化学を基盤とした人工光合成を目標にした研究を行っています。
→人工光合成の礎を創る
無尽蔵に降り注ぐ太陽光エネルギーを用いて化学エネルギーを作り出す…「人工光合成」と呼ばれるこの反応系の構築は、実用化に成功すれば世界のエネルギー問題が一挙に解決可能なほど、極めて挑戦的でインパクトの大きな研究課題です。私たちが目指しているのは、光・プロトン・電子の媒介役として金属錯体を用い、光によって水などの小分子を自在に活性化することでこの「人工光合成」を達成することです。
→分子設計により無限の可能性
金属錯体は、多様な性質を持つ金属イオンと自由に設計できる有機配位子との複合体です。分子レベルで構造・機能の制御ができる金属錯体は、高度に設計することで無限に触媒機能を向上できる可能性を秘めています。実際に生体は数億年の進化の過程で、試行錯誤の末に多くの酵素の活性中心として金属錯体を選んでいます。
→新たな領域・概念の開拓
植物は容易に光合成を行っている一方で、人類は未だに人工光合成を実用化できていません。では我々はどうすればいいのか?その答えは、これまでに開拓されていない新たな概念を導入し、世界が気づいていない新触媒設計を提案することです。このような新概念は、人工光合成を達成するためのブレイクスルーとなることが期待されます。