油脂 - セルロース繊維コンポジット

 セルロース資源は、天然に最も豊富に存在するバイオマス資源であり、簡便なプロセスにより高強度な繊維が得られることから、グリーンコンポジットの補強材として有望です。そこで、我々はセルロース繊維を補強材とする油脂−セルロース繊維コンポジットの開発を行ってきました。セルロース繊維には、木質パルプを機械的に解繊することより得られるミクロフィブリル化セルロース(MFC)や生育が非常に早く短期間での収穫が可能なケナフから得られる繊維などを検討しています。これらの高強度なセルロース繊維を導入したコンポジットは、油脂ポリマー単独に比べて機械的強度が飛躍的に向上することが確認されております。また、この油脂−セルロース繊維コンポジットは、植物資源のみから作られているためにカーボンニュートラルの観点から持続的な焼却・再生産のサイクルが期待され、リサイクル面での問題が指摘されている従来型の繊維強化コンポジットと比較して環境に優しい高分子材料です。


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