細胞足場材料

　近年、発展めざましい再生医療においては、足場に細胞を接着させ増殖させることが求められるため、生体内で細胞と接着し、組織構造を保持する細胞外マトリクスの構造を模倣した細胞足場材料の開発が必要不可欠です。細胞外マトリクスはマイクロオーダーの骨格とナノオーダーの繊維で構成されていることが知られており、電界紡糸により得られるナノ～マイクロオーダーのファイバーからなる不織布を細胞足場材料として応用することで、細胞外マトリクスに類似した構造を有する細胞足場材料の開発を行ってきました。
　また、電界紡糸により生体材料として認可されているポリマーを複合化することで、新しい細胞足場材料を開発してきました。複合化によりシートの機械的特性と細胞親和性を両立することが可能となり、ゼラチン/ポリ乳酸複合ファイバーシート上での間葉系幹細胞の分化では、対応するフィルムと比較して良好な骨形成を認めています(京都大学再生医科学研究所との共同研究)。