両親媒性キトサン誘導体ハイドロゲル

ポリイオンコンプレックスはカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの有する電荷が静電的相互作用によって架橋することで形成され、pH条件を変えることにより可逆的に生成・消失させることができます。また、両親媒性高分子は親水性部位と疎水性部位を有し、水溶液中でミセル等の凝集体(超分子)を形成します。このような性質を利用して、ポリイオンコンプレックスや両親媒性高分子はDDSキャリア、化粧品基材など幅広く応用されています。
我々はバイオポリマーであるキトサンを基盤として、同一分子内に両電荷を有し、疎水基を導入した両親媒性キトサン誘導体を調製し、静電相互作用と両親媒性の性質を併せ持つポリマーを用いたハイドロゲルの開発を行いました。本材料はpHを変化させることによりゲル、ゾル、沈殿といった状態変化を可逆的に示すことがわかりました。またこのハイドロゲルの水分をゆっくりと蒸発させると、樹状模様が発現するなどの興味深い現象が観察されています。

TOPへ戻る