酵素硬化ゲル

 酵素は高い位置、立体、基質および官能基選択性を有する生体触媒であり、副反応を起こすことなく特定の生成物を高収率で与えます。更に、通常の化学架橋と比較して、穏和な条件下での硬化反応が可能であり、常圧、室温、中性付近のpHで反応を進行させるなど優れた触媒機能を示します。
 我々は、酵素触媒を用いてγ-ポリグルタミン酸やヒアルロン酸などのバイオポリマーに導入したフェノール基を選択的にカップリングさせることにより、数秒から数分で硬化するバイオポリマーハイドロゲルを合成しました。γ-ポリグルタミン酸ゲルは、優れた吸水性を示し、保水剤や化粧品などへの応用が期待されます。また、分子レベルでヒアルロン酸にコラーゲンを複合化したヒアルロン酸−コラーゲンハイブリッドゲルは、ヒアルロン酸にはみられない細胞接着性を示し、細胞足場材料としての可能性が示されました。

 

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