MBBP

ABOUTプラットフォームについて

Marine-Biodegradable Biomass Plastics(MBBP)
開発プラットフォーム 

設立の趣意について

プラスチックは安価、軽量、自在な成形性による高い意匠性・デザイン対応性などの特性で、我々の日々の生活を豊かにしてきました。丈夫で腐らないという特徴を活かして幅広い分野で利用されてきましたが、自然環境中で分解されにくいために様々な環境問題を引き起こしています。近年、世界中でプラスチックによる海洋汚染が深刻化し、毎年900万トンを超えるプラスチックごみが陸上から海洋へ流出しています。2050年には海洋プラスチックごみの量は魚より多くなるとの報告もあります。最近、有料化されたレジ袋をはじめとするプラスチックのワンウェイ用途を減らす活動が世界的に推進されつつあります。
私たちがプラスチックを今後も使い続けるためには、今あるプラスチックを地球と共生できるプラスチックに変えていくことが求められています。今年3月、大阪大学はデンプンとセルロースといった安価かつ身近な素材から、優れた海洋生分解性を示す複合シートの開発に成功しました。この成果はテレビ報道されるなど、マスコミで大きく取り上げられました。
地球と共生できる海洋生分解性プラスチックを開発し、普及させるためには、既存のプラスチックと同じように使える性能を持ち、価格面での競争力も兼ね備える必要があります。大阪大学は海洋生分解機能を熱可塑性プラスチックに搭載する材料設計指針を打ち出し、プラスチック製品に求められる性質にチューニングできるブレンド・複合化技術を開発してきました。この技術により海洋生分解性バイオマスプラスチック(Marine-Biodegradable Biomass Plastics, MBBP)のマスターバッチ/コンパウンドが製造できます。⇒MBBP開発プラットフォームイメージ図
今回、この技術を元に海洋生分解性プラスチック製品の開発・普及に向けた「MBBP開発プラットフォーム」を設立し、産業分野の垣根を超えて製品開発に一緒に取り組みます。バイオマスの積極的な利用による資源循環・サーキュラーエコノミーへの貢献、プラスチック製品への海洋生分解機能の搭載による海洋プラスチック問題の解決を目指します。このプラットフォームの指針はSDGsに合致します。我々の子孫に美しい地球を残すため、今こそ具体的なアクションが求められています。 MBBP開発プラットフォームへの多くの企業のご参画を期待しています。
2020 年9 月吉日
MBBP プラットフォーム代表幹事
宇山 浩(大阪大学大学院工学研究科・教授)
徐 于懿(大阪大学大学院工学研究科・助教)