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研究プロジェクトPROJECT

バイオアッセンブラ⇒JST-さきがけ事業: 松崎 典弥

事業名:国立研究開発法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(さきがけ)
研究領域:「さきがけ1細胞」(研究総括:浜地 格、H26年度発足)
研究課題:がん幹細胞の生物学的機能を解明する1細胞解析技術の創製
研究者氏名:松崎典弥
期間:平成27年〜平成30年度

研究の概要
がん幹細胞は、腫瘍形成や転移の原因である最も重要ながん細胞です。しかし、非常に数が少なく、通常は休止しているため、死滅させることが困難です。また、その性質や機能なども未解明な部分が多いのが現状です。
本研究提案は、人間の体内においてがん幹細胞がどのように分化・増殖して腫瘍を形成し、さらに血管内へ浸潤後、血中循環腫瘍細胞(CTC)となり、他の臓器へ転移するか、その一連の活動を1細胞レベルで経時的に評価が可能な、革新的な1細胞解析技術の開発を目的とします。本研究より、がん幹細胞の増殖・転移を阻害する革新的な治療法の開発が期待されます。
 戦略目標(注1)への貢献と研究の位置づけ(世界的視野での先駆性・独創性・挑戦性)
本研究提案では、戦略達成目標である「生体組織等における個々の細胞それぞれの各種分子情報について、時間的・空間的に観察・解析する基盤技術の開発」への貢献が期待されます。
生体組織は、複数種類の細胞と細胞外マトリックス(ECM)で構成され、細胞周辺の三次元微小環境が細胞の機能を制御しています。通常の細胞培養では、この三次元微小環境を再現することはできません。また、動物実験では、標的細胞の位置情報を保持しつつ、周囲の細胞やECMとの相互作用を経時的に観察・解析することは困難です。本提案は、生体外で三次元微小環境を人為的に再現し、標的細胞を1細胞レベルで内部に配置制御することで、この課題に挑戦する、世界で初めての先駆的かつ独創的な研究内容です。
研究成果により想定されるインパクト、将来像、イノベーションへの将来的な展望など
従来の「細胞集団の平均値でしか評価できなかった」現状を打開するため、生体組織の三次元環境を生体外で再現することで、個々の細胞の本当の個性を理解可能になります。また、細胞集団における個々の細胞の役割と相互関係の時空間的な評価が期待されます。本研究は、世界で初めての挑戦的な研究であり、生物学におけるイノベーション創出の独創的な基盤技術となります。






                                           
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