大阪大学大学院 工学研究科応用化学専攻 茶谷研究室 The Chatani Group

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研究内容

新しい有機合成反応の開発を目指しています。特に有機金属錯体の特性を利用した新触媒反応の設計・開発を中心に研究を行っています。現在、研究対象としている主な内容は次のものです。

1.C-H,C-C,C-F,C-O結合など不活性結合の活性化を利用した合成反応の開発 2.活性中間体の効率的捕捉を利用した分子変換の新手法の開発 3.付加環化

  • 長年の課題であったC-H結合切断を利用した有機合成反応の開発に成功しました。国内外で多くの追随研究がスタートしています。
  • C-C, C-F, C-O結合を切断して合成反応に利用できることを見出しています。有機合成反応における新しい流れができつつあります。
  • シンプルな分子から複雑な炭素骨格を一段階で構築できる新手法の開発に成功しています。複雑な骨格形成を行う時の新概念を創出することができました。
  • 不安定金属種を発生させ、効率的に有機化合物へ変換する新手法を開発しました。新しい型の素反応を含む分子変換法を創出することができました。

1 C-H.C-C.C-F.C-O結合など不活性結合の活性化を利用した合成反応の開発

C−H結合のシリル化
C−H結合はC−Si結合へも変換可能
Chem. Lett., (3), 396-397(2002)
C−H結合のカルボニル化
C−H結合を切ってアシル基の導入が可能
J. Org. Chem., 69(13), 4433-4440(2004)
C−H結合のアルデヒドとのカップリング
C−H結合の極性基への付加を達成
Angew. Chem. Int. Ed., 41(15), 2779-2781(2002)
エステルのアシル−O結合
アシル中間体の新発生法と触媒反応への利用を達成
J. Am. Chem. Soc., 123(20), 4849-4850(2001)
J. Org. Chem., 69(17), 5615-5621(2004)

2 活性中間体の効率的捕捉を利用した分子変換の新手法の開発

エンイン骨格の再配列反応
C新骨格変換法を開発.複雑な骨格が単工程で構築可能
J. Am. Chem. Soc., 123(35), 10294-10295(2002)
ビニリデン中間体
金属カルベン種の新捕捉法を開発.触媒反応への展開に成功
Organometallics., 21(19), 3845-3847(2002)
ベンザイン中間体
高不安定化学種を触媒反応に選択性良く組み込むことに成功
J. Am. Chem. Soc., 123(50), 12686-12687(2001)
ケテン中間体
不安定化学種の分子内捕捉法の開発と触媒反応への適用に成功
Angew. Chem. Int. Ed., 42(12), 1397-1399(2003)

3 付加環化

カルボニル化付加環化
入手容易な物質から単工程で有用物質を合成可能に!
J. Am. Chem. Soc., 122(51), 12663-12674(2000)
J. Org. Chem., 68(4), 1591-1593(2003)
イソシアニド
イミノ基導入の新手法を開発.単純な化合物から有用な物質を!
J. Am. Chem. Soc., 125(26), 7812-7813(2003)
J. Org. Chem. Soc., 127(2), 761-766(2005)

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